秋刀魚は鮫になりたくて

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zoom RSS 小さな連鎖(後半35km)

<<   作成日時 : 2006/09/17 00:11   >>

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先ほどまでの下りは

折り返せば当然上り坂になる訳で。
対向で降りてくるランナーと軽く挨拶しつつ登り始める。
結構、人の密度が高いところを見ると自分は順位的にほぼ中間ほどに居ることが分かる。
ほとんどの人が折り返しに近いこともあり余裕が感じられる。
しかし一人完全に下り坂にやられているようでガックリとうなだれて歩いていた。
「がんばれー!あと2kmくらいで折り返しだぞー!」
少しビックリしたようだが気持ちは通じたようで弱々しく右手が返事をした。
彼はゴール出来るだろうか。自分の事は棚に上げて心配してしまった。
最終ランナーとすれ違ったのは4kmほど登ったところだったか。
4時間半経過ぐらいだったのでギリギリ間に合いそうだが、どうだったろうか。

流石にこの坂道はキツく何度も歩いて登った。
その度に同じようなペースのランナーを抜いたり抜かれたり。
この坂道を元オリンピック選手は笑顔で楽々登ったのかと思うと世界の大きさを感じる。
40kmエイドに着く頃には、かなりヘロヘロになっていた。
ウエストポーチの小ペットボトルにもキッチリ給水し直し44分40秒で通過。
流石に一番の難所では時間掛かったが仕方の無いところ。気落ちせず進もう。

その先もまだ登りは続き、走っては歩き、また走るの繰り返し。
やっと少しある平坦地のナント気持ち良いこと。
先ほど登りの方が得意といったが流石にそれすら一蹴するほどの強烈な坂道。
8km近くも続く急なのぼりは想定してなかった。さすが北海道スケールがでかい。

【42.195km ようこそウルトラの世界へ】その看板脇通過した時が4時間55分。思っていたよりはペース悪くない。
春の荒川よりは1時間落ちだが最初からペースは落としているし、このコースレイアウトからすれば良いほうだろう。

ソコから勾配は下りになったが流石に削られたダメージが大きく45kmエイドに着いたときには大きく肩で息をして給水がスグに出来ず膝に手を着いていた。
息を整え給水&小ペットに補給。みたらし団子も頂いた。
みたらし団子も食べやすいように串から外し一つ一つ爪楊枝刺すという丁寧な仕事に頭が下がる。「ごちそうさま〜。」
いつもだったら「ありがとう」と言ってエイド後にするが何となくココではそのほうがシックリきた。
「いってらっしゃい。がんばって!」
エイドの方が声をかけてくれる。
ココまでも声かけてくれていたが集団もバラけて、自分だけに向けられている声と言うのは底力になる。ありがたい。押してくれる声に答え右手で答え走り出す。
45kmエイド出発43分半(経過時間5時間半)

ココまで来たら後は下りのほうが多く、深刻な故障さえしなければ下りきれるはず。
残り時間4時間半で25km
普段なら楽勝だが既にフルマラソン消化後の体では何が起こるかわからない。
体力はまだ大丈夫そうだが両腰骨の大腿骨があたる辺りにわずかながら痛みが出てきた。
長く続く下り坂にどこまで耐えれるかが勝負だな。
実際下りでは弱い痛みを感じるものの平坦地や上りでは感じない。
やはり下りの走り方がおかしいのか?しかも下り坂で走っていると心臓側のかなり高い位置のわき腹が痛い時もある。しかし急に対策が分かる訳でなく、出来ることと言えば痛ければ歩いて休む。その程度だ。

50kmエイド
オムスビ、もろきゅう・梅干など頂く
「ごちそうさま〜」
おっとっとトイレも済ましておきましょう。この先10kmトイレ無いしね。
トイレに入る段差でよろける。思った以上に脚が走る以外の行動が出来なくなってきたようだ。
50kmエイド出発35分チョット(経過時間6時間05分50秒)

2kmほどの長い上り坂もあり次の5kmは楽しく走れた。
とは言っても角度がキツイところは休んで歩いたんですけど。
スグ前走ってた人も同じ考えだったようでほぼ同時に歩きに変えたときは面白かった。
しかしこれで登りはほとんど無くなる訳だ。下りばかりとなるコースに若干心配度も下り坂。

55kmエイド
「コーヒーあるよー!」
随分手前からコーヒーの呼び込みされた(笑)
せっかくなので温かいコーヒー、ひとくちロールケーキとクリームパン貰って腰掛ける。
流石に大分疲れてきている。暖かいものと甘いものが美味しい。
残り15kmやっと現実的な数字になってきた。
「下のエイドには綺麗どころが揃ってるよ〜」
「^^ナンダッテー!?」
サロメチールを振りかけて出発。35分40秒(経過時間6時間41分30秒)

小雨も先ほどから上がり路面も徐々に乾いてきた。
ゴールの競技場は降っていなく気温も高いよ。と、先ほどのエイドで教えてもらったとおり徐々に空気が変わってくるのが分かる。しかも一度に変わるのでなくヌルイ空気とツメタイ空気の層が所々で混在している。しかし雨上がりでもモワッと湿度で不快でないのも北海道の気候なのかしら。

しばらく下ると左足首右ひざの裏側痛くなってきた。両腰と合わせると4箇所左右に逃げ場なく徐々に痛みが増してくる。
少しブレーキかけてる感じを抑えて道なりに力を任せるとチョットはましになるがそう大差ない。歩きも折り混ぜつつ関節を温存して下る。

60kmエイド
ここを16時40分(8時間40分)までに通らないと失格になるので、走行開始前はこのポイントまでたどり着くのが鍵だと思ったが15時15分ごろ(7時間15分)到着できた。
この先余裕も有るので少し長めに休みましょう。(綺麗どころだしw)
「巨峰美味しいよ〜」と勧められるまま頂く。うん旨い。パクパク頂く。よく冷やしてあってうれしい。
60kmも走ってちゃんと旨いまずい判断できることにもビックリだが。
60kmエイド出発41分16秒(経過時間7時間22分46秒)

ちょうど先ほどのエイド付近にあった神社の祭りで歩道に人があふれ一時的に走りにくかった。仕方ないので車道側に降りて走る。
2km程行くと人も居なくなり走りやすい状態には、なって来たが脚の状態が悪化してきた。
足首は既に両方ともズキズキと痛み出し、右足の膝裏も筋が痛んでいるようだ。
たまらず歩き出すも痛みは引かない。先ほどまでは歩けば少しは回復したが既にその範囲も超えて限界に近い。
後ろを振り返ると誰も居ないが、しばらく歩くと一人また一人と抜かれていく。
歩道脇を見ると、行きに観た縁石の花壇。そこに振られた管理用番号はその時30位だったろうか。
74まで歩こう。そこからまた走り出そう。そう思い腰のペットボトルから給水。
番号を目で追っていると数字の増えるのが早い。もっと歩いていたいと言う気持ちがそう思わせるのだろう。割とスグに74の番号まできた。
腕から走り始める。腕をイチニノサンシノ・・・Go!
大分弱った走り出しも何とか気力で走る形に変える事が出来た。
痛みは歩いている時と変わらない。変わらないならゴールに早く近づける分走ってる方が良いだろう。少しづつ減る残り距離と、少しづつ増える痛み。バランスが崩れたらかなりヤバイ。
春の荒川で岡魂氏が聞いたと言う『気持ちが折れる音』というのは出来れば聞きたくない。

痛みに意識が行くと精神上良くないので脳内で音楽再生。
映画タイヨウノウタのYUI for 雨音薫「Good-bye days」を繰り返しかける。
TV版は良く観てないので知らないが、この映画はYUIの演技が下手だと言う人も居るが内容がすごくイイ。自分には演技云々は気にならなかったし、何より見終わった後の悲しさよりも前向きになれる清々しさが好きだ。
前の荒川の時は映画オペラ座の怪人だったが、わし映画音楽に影響されやすいのかしら?

65km最終エイド
ほぼ平坦地ともいえる緩い下り坂だったが体力が既にかなり減っていることもあり随分厳しい区間だった。息を戻し給水後、即座に椅子に腰をかける。両足にサロメチール振ってエイドの人にお願いして背中全体にも降りかけてもらう。背中の筋肉もかなりヤバイ。
・・・あと5km。されど5km。今の脚ではどれだけ掛かるのか・・・。
「1kmを5回走れば良いんですよ」
エイドの人にかけてもらった言葉に妙に納得して出発。
65kmエイド出発44分半(経過時間8時間07分15秒)

絶妙のタイミングで押しボタン式横断歩道押してもらいスタッフと止まってくれた車に礼をして渡る。少し行くと信号交差点。先に見える信号は青。急いでも渡れるタイミングでないので手前から歩く。「あと4kmがんばって」
残り距離は着実に減ってきている。足は痛いが進めないほどじゃない。まだ大丈夫。
青信号と共に右手の挨拶残して緩く走り始める。

前を走っていたランナーがコースを逸れて道脇に立ってこっちを観ている。
??
なんだろうと思って近づくと近所に住んで普段からここをジョギングしている人なのだろう。
「がんばって。もうすぐよ」と非常に上品な御婦人に応援していただいた。
「^^ありがとうございまーす」
顔と目は笑って答えたが両足首と右膝が限界だ。少し行ったところで歩いてしまった。
ココから約2kmチョット。歩いても時間内にゴールは出来るだろう。そう思って気持ちも沈みかけた。
後ろから迫る足音。ああ、また一人上手に余力残したランナーに抜かれるんだなと思い、河川敷の狭いコースなので脇に避けて進路を譲り歩く。
ついでに最後の給水をと思い腰のペットから飲む。既に薄めたスポーツドリンクもすっぱく感じる。
「止まっちゃうとまた走るの大変になっちゃうからね。がんばって」
!先ほどの御婦人が追い越してまで声をかけに来てくれたのか?
「ありがとうございます!!」
再び走り始める・・・まだ走れた。なんだかさっきより脚の痛みは薄い気がして脚が進む。
やはり気力で負けちゃ駄目だ。

既に大分近く競技場の続々とゴールする実況放送が聞こえる。
川向こうに競技場が見え橋を渡ったときトラック入り口にオカンとお姉が立っていた。
あんたら観光はしないのかい?わざわざココまでありがとうね。
しかしトラック入り口が見えていてもまだ競技場外周一周しなければならない。
結構蛇の生殺し状態でないの?向こうから遊びで走ってくる小学生と半周先で再びすれ違う。
既にスピードは小学生並みですか。そうですか。
再度入り口に戻って最終のトラックに。一人ずつゴールテープを切らせてくれるので先行するランナーと少し間隔をあける。
最後のゴールラインを名前呼ばれてテープを切った。


8時間40分35秒(手元計測)


ゴールに待っていてくれた主催のアスリートクラブ代表と笑顔で握手。
即座に背中に完走バスタオルがかけられた。
なんかTVでこういうシーン見たこと有るな。
「体冷やさないようにね。おめでとう」
・・・バスタオルに包まって少し泣いた。

随分長い一日が終わった。
最初は完走出来るかすら怪しかったが、素晴らしい大会スタッフ&ボランティアに支えられ走りきれた。
あの最後のご婦人に支えられた部分も大きい。
多分、あの人が居なかったら最後2km歩いてゴールまで行ったかもしれない。
もしかして『気持ちの折れる音』が大音響で聞こえたかもしれない。

今回は荒川より楽しんだと言う感じがより一層強かった。
おそらくエイドでかけて貰った「頑張って」はその底にあるものが違っているからだろう。
今回のスタッフ・ボランティアは全員ランナーだったと聞く。
そのためほんとの苦しさが分かってる人たちなので「頑張って」に込められた思いが違うのかも。

70kmと言う距離はとんでもない距離だったけど、すごく気持ちイイ最高の大会でした。



走り終わって着替えるときに自分の脚見たら、ココにも有りました「えげつなく鍛えられた脚」
画像

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
「変わらないならゴールに早く近づける分走ってる方が良いだろう。少しづつ減る残り距離と、少しづつ増える痛み。バランスが崩れたらかなりヤバイ」

これ、走ったヤツにしか分からないんだろうな。70kmとなると俺にもわからないけどさ。

でも、すげえよな。オレの周りには70km走ったってヤツはいないもの。来年は当然100kmだな。オレは…ゴルフで70目指すわ(笑)
塾長
2006/09/20 23:19
来年は「当然」100kmなんですか!?
来年は、もて耐も視野に入れたいし〜
ん〜。。。ダ、ダブルエントリ!?
Van
2006/09/21 19:43
もてぎを自走すればいいんですよw
ささき
2006/09/21 20:50
折れた音の話は自分でも忘れてましたよ・・・。でも多少でもモチベーションに繋がったなら嬉しいですよ、ナルなんで。

70キロですかー、僕は70キロに減量することにします。
岡魂
2006/09/21 23:12
こんにちは。
ちょっとだけ、ウルトラなマラソンに出てみたいな
なんて思っちゃりして。
フル + 28Kmと考えれば
走れそうな気が・・・・・・・・・・
そんな甘くはないっすね。
南道
2006/09/22 12:21
>もてぎを自走
(・∀・) ソレダ! …って予選通過できねー(笑)
>音の話
残り8kmでへこたれそうになったときには
「負けるもんか〜」って思って耐えてました。
かなり心の支えになってましたよ。
ウルトラ走りきるコツは『あきらめないこと』だそうですから。
>南道さん
おそらく南道さんなら7時間〜7時間半もあればイケルかと。
もっと速いかな?
ウルトラはフルの延長と考えるとチョット違うかも。
フルは体力の限界まで使って走りきるのに対し
ウルトラはどこまでも走れる楽な走り方で行くんじゃないかな?(たぶん)
Van
2006/09/23 07:05
>ココにも有りました「えげつなく鍛えられた脚」
無駄?なものは全てそぎ落とされるんだろうなあ。終わってからも特に体は問題なかったようでね。むしろ、強くなった感じがするのかな?
ペース配分もなるほど・・・と、走ったことはないけど、以前ツーリングで走った札幌〜支笏を思いだし、勝手に想像して読みました。
70kmといえば、ほぼ毎日70km走り、ユーラシア大陸横断して日本1周した50才代のフランス人がいるみたいです。世の中にはいろんな人がいますね。僕はフルで満足ですが(笑)
オザワ
2006/09/23 19:41
>体は問題なかったよう
ぶ〜。問題ありあり。両足首と右ひざ裏が1週間は痛かったす。
でもウルトラ翌日に札幌観光で大通りと旧北海道庁は歩いて見に行ったのです。貧乏性なのでせっかくココまできたのに観光せずに帰れるか〜って(笑)
少しずつ最近また走り始めましたが今日10km過ぎでまた右足首と膝裏が痛くなって1週間症状逆戻りです(泣)
また温泉治療しなくちゃ?
>50才代のフランス人
わしもそこまでは要りませんw
Van
2006/09/24 20:30

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