秋刀魚は鮫になりたくて

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zoom RSS 梨塾マラソンズ サロマチャレンジ(〜100km)

<<   作成日時 : 2007/07/11 02:01   >>

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雨が冷たい

ワッカ折り返しで合羽を着てすぐに雨足が強まり本降りとなった。
折り返して風向きが変わったと同時に雨足が強まってきたので先ほどと比べると体感的には一気に降りが強くなったと感じてしまう。
雨足に反比例して急激に減る残り体力と気力。80km到達時と比べるととんでもなく体が劣化している。
正直あそこから10kmも走ってないのにコレほどまでに走れないようになってくるというのは信じ難い。
ワッカ入り口では残り時間から完走は確実かと楽観視していたがそれが甘い考えだったのかも・・・と、徐々に重くなる体に重い現実がのしかかる。
とりあえず次の1km。まず1km進もう。今は10km先が、とてつもなく遠く感じてきた。

90km関門通過 10:49:59 [GTmailS]/制限時間11:30
80〜90kmが1時間20分掛かっている。キロ8分ペースまで落ち込んでいるが、80〜90、90〜100までの関門時間は各1時間30分づつあるので一応80〜90kmまでで10分の貯金が出来た。
90kmの給水所で体が冷えて来ているものの氷入り冷水を補給。
噛み潰す氷がこの先にかける意思を表すかのようだ。まだ負けねぇ。負けたくねぇ。
先を睨み付ける目にサロマンブルーのゼッケンが飛び込んできた。
20km手前でヒザが痛いと言っていたが頑張っている。流石はサロマンブルーメンバーだ。
この方は大抵サロマでは制限時間イッパイにゴールすることが多いので、向こうは折り返し前だから90kmまで残り5km弱を40分。ギリギリ大丈夫だろう。
サロマンブルーの方「ヒザが痛い・・・。」
わし「・・・頑張りましょう」
いくら向こうの方がレース経験豊富だとは言え、もう少しわしは相手を励ますとか元気を出す事の出来る言葉をかけるべきではないのか?自分の頭の悪さが悔やまれる。

その先は雨のせいもありほとんど下ばかり見て走っていた。周りを見る余裕はもう既に無い。
こうなると夢にまで見たワッカ原生花園なのか普段の家の近くのランニングコースなのかあまり区別がつかない。
キロ当たりの区間タイムは既にキロ9分に近くなっている。足が前に進まない。
・・・
「普段通り」「平常心で」「マイペースで」
梨塾魂で」
画像

急にスタート地点で貰った応援FAXを思い出した。
・・・そうだな。今のペースが今出せるマイペースだ。普段走ってるランニングコースと区別つかなかくなっててもそれは問題無い事なのかもね。鬼には虎には成れそうも無いけども。
完走するためにココに来た。このサロマウルトラマラソンの為に随分練習に時間かけてきた。
今はもう既に、走っては居るものの他のほとんどのランナーに次々抜かれるてるし、歩いてる人を抜くにも随分長い時間掛かるけど、でもわしはまだ歩きたくは無い。ココには走りに来たのだから。
例えそれが他人から観て歩いてるのと大して変わらなくても自分の中では走っていたい。
弱気になり始めた自分を払拭するのにはもう1つ何かきっかけが要ると思いコース脇に一旦停止。と同時に自然と口をついたのは

「くそーっ!」

意外にも大きい声に周りから観られたが、まぁ問題ない。
ウェストポーチに残っているオキシショットを一気に飲み干して再度走り始める。

『自分を信じて』

事前に他の方から頂いたアドバイスも思い出しながら、それ以降は、いくら追い越されても気にせずに落ち込むことなく走り続けられた。
左足の母子球〜親指にかけて痺れて感覚がほとんど無かったり、右ひざ裏は厳しいし、両腿は既にパンパンだが関節に激痛が有るわけではないので走ることは不可能じゃない。
『自分を信じて』の言葉と、先ほどの3曲を(既に歌詞がちゃんと思い出すことの出来ない状態だけれども)エンドレスで脳内でかけて行く。

「あと4km」と距離表示が残り表示となる。
ワッカの緩い上り下りの路ももう終わる。コース表示の高低差地図では平坦だが細かい上下が延々と続いて気力体力共にもぎ取られた。
もぎ取られた体力で、森へと向かう最後の上り坂が非常に厳しいが頑張る。
竜宮街道が終わり再び小さな森に戻ると雨粒が木々に当たってまとまり粒自体が大粒となって降ってくる。耐えるのもキツイ。
入ってくる時に通過した80km関門は既に撤収準備が済んで荷物が片付けられていた。
そういえば、対向ランナーの姿は既に無いな。少し前に、すぐ後ろに自衛隊ハマーが張り付いたランナーが居たのが最終だったのか。あの車が後ろに張り付いた状態で走り続けるのはかなりの精神力が要りそうだ。90km関門にたどり着かないだろうけど、その走りと精神は尊敬に値する。

森を抜ける最後の急な下り坂。腿が、ヒザが、足首が悲鳴を上げそうだ。
なるべく足の負担減らそうとゆっくり下るがブレーキかけるのすら既に大変。
下り坂を抜け80km手前に通過した給水所前。
既に撤去されているかと思われたエイドから


「頑張ってください!」
        「あと少しです!」
「あと2kmガンバです!」
         「がんばってー!」
「頑張ってください!」



(´;ω;`)「あ、ありがとぅ〜。ありがとう〜。」

文字通り・・・いや、それ以上の大声援の雨が降り注いできた。
コレほどまでの声援をしてもらったことは今までに記憶に無い。
今が雨でよかった。頬を伝ってるのは雨だよ。多分ね。前が見難いや。
帽子被ってるのになぁ。・・・目から次々雨が出てくるよ。
・・・くそっ。・・・うれしいなぁ。

先の交差点を左折すると長い直線が延びる。
既に足を痛めた人が寒さにも耐えながら歩いている。
「ファイト!」声をかけると「ありがとう!」と割合強い返事が返ってきた。彼もまた大丈夫。
自分の声は、あの大声援の0.1%にも満たないチカラだとは思うがゴールできる後押しに少しでもなればと思う。
画像

あと1km・・・最後の距離表示。・・・99kmか。スパートをかける体力も、もう既に無いや。
残り数百m、国道から外れ車両閉鎖された道へ。
わだちに水溜りがあるが避ける足も無い。とりあえず前に進めればいい。

「おめでとう!」「お帰りなさい!」「よくやった!」

ゴールまであと少しの沿道から声援が飛び交う。まだゴールは見えない。
係員に従い最後の右折。眼前に広がるゴールゲート。
ゴール写真用に前の人と少し間隔取ろうとすると急激に前の人が速度を落とした。
ゴール直前で抜いて、ゴールゲートの台を駆け上がり



画像



100km 到達! 12:15:09 [GTmailS]/制限時間13時間
まるで迷子になった子供が母親にやっと会えた時のような顔です。
ホントは笑ってるんですけどね。写真圧縮したら一層不細工ですな。
まぁ、どんな不細工でもいいじゃないですか。

・・・完走したんですから・・・。

ゴール後数十m先で完走タオルとメダルをかけてもらう。メダルが重い。
「おめでとうございます!」
「ありがと〜!」
靴のICタグを外し水とアミノバイタルと食券を貰って、アイシング用の氷を持ちサロメチールを足全体に吹きかける。
腰掛けてヒザをアイシングして1分も経たないうちに体全体が震えてきた。体も歯も震える。
アイシング中断しタオルに包まり着替えようとカーリングホールに移動し荷物を受け取る。
着替えようとするものの体が動かない。雨でびしょ濡れで寒くてたまらないのだが冷えで体が固まり言うことを聞かない。気をつけてゆっくり上着を脱いだがCW−Xタイツを脱ぐ時に足が攣った。
同時に背筋・腹筋・首筋・腕も同時に筋肉が硬直する。
ほぼパンツ1枚で全身硬直で何も出来ない。寒い。
実際には数秒だが感覚的には非常に長い時間を床に動けず寝転がっていた時には、軽く三途の川が見えそうな気がした。
悲鳴を上げ続ける筋肉をなだめつつ何とか着替える。寒いので持っている服全て着込む。
何とか落ち着き塾長に報告。
その後もしばらく動けず、やっと動けるようになった時には既にゴールで貰った食券が使用できる時間18時を過ぎてしまっていた。

出る気はなかったが完走パーティー会場に向かう。
今、何か食べとかないと胃が動かなくなってその後しばらく食べられなくなるらしいので何でもいいから胃に何か入れときたい。
幸い食べ物はふんだんに用意されており胃も受け付けて問題無く食べられた。
ゴール地点の応援FAXは時間が遅くなったのでほとんど残ってなかったけど自分に送って頂いた分を丁寧に剥がし持ち帰る。
帰り道のレンタカー運転中に98km地点の大声援を思い出しまた涙が溢れしばらくハザードを焚いて道端に停まっていた。

諦めなくて良かった。80km以降の自分の体の壊れっぷりに諦めそうになったけど様々なアドバイスや応援を思い出しゴールすることができました。


ありがとう。
こんな言葉しか思い浮かばないけど。

応援してくれたみんなありがとう。
ボランティアスタッフの方々ありがとう。


100kmマラソンはスゴイ楽しい大会です。フルマラソンとはかなり意味合いが違って走ることが楽しいですよ。
バイクに例えると、
フルマラソンに出るって事が「なし耐」や「もて耐」に出るってのと同じくらいの意味だとすると
ウルトラマラソンってのは、北海道に行くのに関東から青森まで自走で8時間位かけて青森まで走って渡道する、あの感覚に近い感じがするよ。


2日後に快晴の展望台から見たサロマ湖は大きかった。(↓画像クリックすると大きいです)
画像

パノラマ写真を合成するための撮り方が失敗してますが・・・。
遠く霞んだ端から端まで自分の足だけで走りきったというのは感慨深い。
また参加するかどうかは分からないけど、とても素敵な大会ですので、いずれまた多分行くでしょうね。

今まで自分に自信が持てる部分が無かったけど、チョットは自信持ってもいいかな。
自分の事も、他人の事も嫌いだった自分が、マラソン始めて何か変わればと思っていたけど、
変わっても変わらなくても、自分はどこまで行っても自分なんだよね。
自分の事が好きだとは言えないけれども、他人の事は好きになっても良いかもしれない。
100kmで少し変わった自分になれたような気がする。

<サロマ初参加編 終了です>

あ。バイク乗ろうッと。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
スゲーーーです!!完走おめでとう御座います!!

体力と気力が100Kmも持つなんて、尊敬するです。
100Kmも走るの想像が出来ないっす
フルがえらく短い距離な気分になってきましたw。

南道
2007/07/11 13:01
読んでいて目頭が熱くなりました。

おめでとう!
岡鬼
2007/07/11 23:04
素晴らしい体験をしましたね。

VAN君に10ポイント。
鬼以下
2007/07/14 06:34
>体力と気力が100Kmも持つなんて
体力は鍛錬でしょうけど、気力はエイドや応援で色々分けてもらわないと持ちませんよ。もちろん周りのランナーと話して楽しむってのも大事かと。
フルとウルトラはヤッパリ別のスポーツだと思います。ウルトラはピクニック+オリエンテーリングに近いような感じですね。サブ10ぐらいスピードが上がればフルの延長でしょうけど。。。
>岡鬼
↑泣いたオカオニ。

稚拙な文章で少しでもサロマウルトラの良さが伝わってれば嬉しいですね。感動は体感したほうが良いですよ。いっぺん行ってみる!?
>kosukie
ポイント貯めるとナニが貰えるん?
一人じゃナカナカ貯まらないのでコスコも来年サロマ参加して貯めてきてね!
Van
2007/07/14 11:27
ようやく読みに来ました。
大作完走記、読み応えがありました。
ペース配分といい、素晴らしいですね。
こちらはもう大変なことになってましたから(笑)。
またサロマでお会いすることを楽しみにしています。
Ogaman
2007/07/14 20:05
Ogamanさんのアドバイス『自分を信じて』のおかげでゴールまでたどり着けました。ありがとうございました。
実際、事前想定ではキロ9分までは落ちることは無いだろうと思っていたんですよね。ですので、現実ラップ9分の時計見たとき無理かと諦めかけたんです。何とか意識つなぎ止めたのは応援FAXと『自分を信じて』の言葉でした。
あの時の「くそーっ!」って言葉は、考えの甘さと自分を信じられなくなっていた逃げてばかりの自分への苛立ちからなのだと思います。
Ogamanさんの粘りも見事ですね。
今回、サロマでは素敵な思い出が出来ました。
次回参加時に今回の思いが障害にならないよう頑張ろうと思います。
まだ足には後遺症がありますけど(苦笑)
Van
2007/07/15 21:17

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