なし耐(20050717本戦編)

同タイムなのでじゃんけんの結果第一ライダー決定。
規定により第一ライダーはタイムが速いほうが走る為レベルは若干こっちのが高い。
それが今の自分にはプレッシャーでしかない。
スタート前フリー走行で何か掴めるかと思ったが、何も状態は変わらず本戦の時間。
理解出来ないレンスポを疑うよりも多少時間犠牲にしても信じていくしかないと開き直りルマン式スターティンググリットに着く。
グリットに着く前からホームストレートの岡の上には岡弾が声援に来てくれていた。
最後のアドバイスを受け、熱い陽射し以上に熱い期待を背に受け日章旗の動きを追う。
3・2・1・
いよいよ振り下ろされた日章旗スタートダッシュは可も不可もなくといったところ。
だがマシンにまたがりスタートしようとした時左から1台飛び出し頭抑えつけられていた。
若干順位落としてしまい1コーナーに向かうと目の端に白いマシンの腹が見えた。
団子となった集団が徐々にバラける頃そのバラける理由が明らかになる。
速いものは行き、遅いものは遅れる。その遅れる側となったわしは
非常に多湿な暑さの中、発汗の理由が太陽以外の冷や汗によるモノも加わり干乾びながら溺れそうな、更にワケの分からない吐き気に襲われて、混沌の世界に沈んでゆく。
徐々に回転を弱める思考で必死にレンスポの意味を理解しようとするが、それは叶わぬ望みとなりつつあった。
酸欠の秋刀魚が水面に出て酸素補給するように既にもう走る気力が無くなりかけた時、
残り時間の表示は14分。つまり僅か6分しか走っていないのに既に限界が近づいていた。
コレは最後まで持たないかもしれない・・・いや、持たない。
そう思ったその僅か後、イエローフラッグ。
・・・助かった。その時はただそれだけだった。
少しでも回復するためにシールドを開け左コーナーに差し掛かると2台のバイクがソコに居り、
その次の周に帰ってくるまで誰なのか理解できなかった。westとcattyか?
事故の原因は分からないがソコに2台あるとしか頭は回転していなかった。
イエロー解除後再度タイヤを中心に走りを再認識しようとするが体を入れようにも
立ち上がりを意識しようにも何の抵抗も示さないレンスポに恐怖以外のものは感じる事が出来なかった。
入力に対して回答が得られないと言うのは、こうも不安定になるものなのかと愕然。
秋刀魚は自由に泳ぐ事無く、ただ乾き始めた心と目だけが不安に震えていた。
その後、もう一度のイエローのままセッション1終了。
走り終わってピットに戻りたいのに、ピットに戻るのがものすごく嫌だった。
ペアライダーの岡弾氏に合わせる顔がない気持ちでいっぱいだったから。
今回岡弾氏は走る前の気持ちの入れようがいつも以上に高いようで、非常に怖い顔をしていた。別に怒ってるのではなく集中しているだけなのは分かっているが、
弱みのある恐縮した気持ちで見ていたせいも有るがまるで仁王羅漢像のそれに見えた。
「ごめん。がんばって。ごめん」
それがその時言えた精一杯の言葉。あまりに情けなくて申し訳なくて、現状を回復するには次の走行、セッション3に何かそれを証明しなければならない。しかし今は何の解決策も見つからない。
レンスポが悪いタイヤであるとは今までのほかの塾生を見て思え無い。
相性と言うモノもあるだろうが、まだ駄目だと言う結論出したくない。
その時目の前を塾長が通って行った。悩んで困った時は聞くのが一番。
自分の思った感触が間違っていようと、恥を掻こうががこの際関係ない。
ただ走れない状況を打破する術がどうしても欲しかった。
塾長も、かなり悩んだ結果フロントイニシャル1回転締めてみたらと言われ、速攻締める。
時間はほとんどない。FIN締めて工具戻してツナギ着たら白熱中のはずの走行音が消えた。
え?時間読み間違えたか?もう走行時間なのか?
と、思って走ってピットに行くと梨塾では見慣れないレッドフラッグが出ており、
最終進入で、とちぎスピードが倒れていた。
転倒の原因はその時分からなかったが容易に動かせないような状態で、かなり深刻だということは理解できた。
セッション2はレッドのまま終了。
人のこと心配するまもなく自分にとって最終のセッション3が始まる。
先導周回走行では何も変わらない状態だったが、
ローリングスタートでレースが始まった2周後、さっきとは全く違う感覚が全身を包んだ。
愉しいじゃん
相変わらずレンスポの限界バンク時の応答の無さは心配な面もあるが、
バンク開始時の入力が格段にしやすくブレーキからコーナーへの走りの連続性が出てきた。
しんどいとか暑いとかそういう気持ちは既に無くただ無邪気に面白がって回っていた。
サインボードで残り時間を確認すると既に半分過ぎておりセッション1の時と時間の流れが違うことに驚いた。
え?もう半分しかないの!?
耐久レースなのに非常に時間が短く感じてレースを楽しんでいた。
その数周前に抜かれたSHAKA☆RA☆HITSのケツがグングン近づく。
相手がバテ始めたのか隙が見える。コレはどこかで抜けるに違いない。
そう思い虎視眈々とその時を待つ。
「時はイキナリやってくる」
左コーナーを抜けたその時直前を走っていたはずのマシンが視界から消えた!
いや、ライダーとバイクが離れて下に有る!
至近距離で人が倒れており避けて行くのは不可能。目前は人間の背中・・・
まずい!フルブレーキ・・・!!!
ロックした前輪は軽々とケツを持ち上げ完全なジャックナイフ状態。
一番頂点になったその時下にいるライダーと目が合う。あまりにもその距離は近い。
前転したら完全にどちらかタダでは済まないだろう。
その次の瞬間ケツに衝撃。前転はしなかったようだ。・・・・っとっとっと・・・。グシャ。
ジャックナイフから落ちてきた衝撃に耐え切れずバイクを支えきれずにタチゴケ状態で倒れる。
あっ。と思った瞬間、左足はバイクの下敷きになっていた。
足を挟まれたまま無理やりバイクを持ち上げ足を引き抜く。
動転したわしは退避する事無くバイクを引き起こしてしまった。
転んだらオフィシャルに任せ自分はコース外に退避しないといけないのにそんな事も忘れていた。
非常に愉しかった走行はイキナリ終わってしまった。
原因がどうであれ避けられなかったのは自分が未熟だから。
冷静にならなければいけない耐久レースで視界があまりにも狭くなっていた。
遅かれ早かれ結果は同じだったかもしれない。でも何とか大惨事は免れてよかった。
相棒の最終走行後半の走行しか見れなかったが気迫漂う走行に眼が離せなかった。
2台の10Rが戦っている。完全に岡弾氏がイラついているのがコーナーごとに分かる。
最終周の最終コーナー岡弾氏の鼻先が僅かに開いたインに刺し込まれる。イケル!
そう思った次の瞬間出口は閉められた。
危ない!
接触するかと思われたが冷静に回避したようで何とか無事ゴール。
完全に今年の弾打ちVanVanは、わしのせいで非常に煮え切らない夏になってしまった。
目標164周に対し129周。転ばないという目標も果たせなかった。すまぬ。
※岡弾氏の写真をトリミングして使用させていただきました※
この記事へのコメント
VANさんの苦悩する姿が見て取れたから少しでも力になれないかと思ってがんばったつもりだけど大して貢献できなかった自分に反省しつつ、その反面今までの悪い流れから脱却できそうな感触に期待を寄せている所です。何にせよ楽しかったジャン。また来月から宜しくね。
最後まではらはらしながら読みました。
でも楽しい区間もあったみたいでなにより(^-^)
でも、ヒトを轢かなくて良かった(;>_<;)
やっとネットがつながったので遊びにきましたよ。
どこも梨耐で大盛り上がりですね~。うらやましい!
とりあえず、早く練習場所を探して膝を擦りたいです。
では、また来ます!
バイク復活ですね。おめでとうございます~ヾ(゚∀゚ )ノ
8月は、わし休みwがんばって~。
塾生レベル強烈に上がってるので楽しいですヨン。
>NOTさん
トミンみたいな気軽なところが早く見つかると良いですね。
>岡弾氏
|ω ̄)この写真チョット好き。
見切れてるわしも岡弾氏の目も物語性があってw
NSR治りました♪全開の筑波でのトラブルの鬱憤を晴らしたいと思いますが、暑さのせいで1本で体力が終わりそうです・・^^;9月の筑波は参加するんですか?
僕もはっきりワカラナイんだけどさ、多分「ここが笑いどころ」という意思を込めるのか「僕は笑ってます」という意思表示なのか、もしくは直球で「笑えよ!」という意味合いが篭っているように感じますよ。
どのみち”笑う”がキーワードでw
(笑)→(笑 →(wara →(w → w
って段々省略されていったらしいです。
でも待てよ、あれ~?んー・・・なんだかなー・・・まーいっか。